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2002/08/14: "トビタケ"
「トビタケ(トンビマイタケ)」と言うマイタケによく似たキノコがあり、今が最盛期のようです。
先週の金曜日、突然勉さんからの電話で「キノコ採りに行かないか?」との誘いがありました。 少し体調を崩していて、朝からゴロゴロしていたのですが、すぐに勉さんと一緒に出かけました。
車を降りてから道らしい道も無い急な登りを約1時間。 途中、体調の悪さと暑さと疲労で失神しそうになりながらも必死に勉さんの後を追いました。 勉さんはもう70歳を過ぎているのに、若い頃からの熊撃ちとイワナ釣で鍛えた足腰はしっかりしたもので、ゴム長で急斜面を直登し、50度の急斜面も木の枝を切り落とした杖1本を巧みに使って軽々とトラバースしてしまいます。
一方の私は米国製のトレッキングシューズで足元を固め、荷物は全て勉さんに背負ってもらっているにも関わらず、急斜面ではズルズルと滑り、トラバース時にはへっぴり腰で四つん這いになり、挙句は倒木にすねをぶつけてしゃがみこんでしまったりと散々なていたらくでした。
唐突に勉さんが立ち止まって「ほれ、そこ。」とあごで指します。 ブナの倒木の周りに見事なトビタケの株がいくつも点在しています。 独特のセピア色をした美しいキノコです。 大きなもので2、3kgもあります。 食べごろの株だけを選んで採ったのですが、それでも10kg以上の収穫となりました。
翌日の土曜日に東京から横井さんが我が家を訪問してくれました。 彼が幸運だったのか不運だったのか、それは何とも言えませんが徹底的な「トビタケ攻め」を受けたのは当然です。
トビタケの炊き込み御飯、トビタケの炒め物、そして大量のトビタケ天ぷら。 どれも素晴らしい味で、とりわけ天ぷらは最高でした。 香りと繊細さではマイタケの方が上かもしれませんが、歯ざわりと甘さではトビタケの方が勝っていると思います。
失神しそうになりながら山を這い上がるだけの価値は十分にありました。 やっぱり、ここはかなりスゴイところです。