[前の記事: "この茸は?"] [新着記事一覧に戻る] [次の記事: "薪割り"]
2003/07/28: "みづがり"
「みずがり」ではなくて「みづがり」です。 漢字では「道刈り」と書くんでしょうね。
今日は朝から原部落総出の「みづがり」の日でした。 1戸から1名づつ出て、部落の山道の下草刈りをします。 幸い雨も止んで、しばらくぶりに青空が広がる絶好の「みづがり」日和でした。
最初の年(昨年なんですが)、部落の集会で「みづがり」が話題になったときに、私は何のことだかわからずに「水刈りってなんですか?」などという質問をしてしまいました。 集まっていた皆さんが口々に「山道の草を刈ることで、水刈りじゃなく道刈りだ」と教えてくれました。
今年はかなり事情が分かっているので、朝から草刈り機をかつぎ、軍手、タオル、飲み水、草刈り機用混合ガソリンの500mlペットボトルなどをハケゴに入れて腰に下げ、すっかり「大井沢衆」になったつもりで集合場所に出かけました。
しかし、次々に集合してくる皆さんのファッションを見て、つくづく自分の未熟さを思い知らされました。
鉈や枝切り用の鋸を腰に下げている人も居ます。
それに帽子。 部落の皆さんはJAかクボタのロゴ入りキャップです。 私の帽子はアメリカの釣竿屋の野球帽。
当然、皆さんの足元は各自こだわりの長靴なんですが、私はバックスキンのワークブーツ。 ズボンなんてRalph Laurenのチノパン。 まだまだ都会を引きずっています。 ピンクのタオルを首に巻くことも出来ません。 人間、いつまで経っても修行ですね。
次に、町内会長さんから指示される段取りが全く理解出来ませんでした。
大井沢弁は92%くらいまでは理解できるようになっているんですが、指示される作業場所の地名が全く分かりません。 最近になってやっと場所が判明したのは「不動堰」くらいのものです。 沢、堰、山、峠、林道、田んぼ、畑などの地名が矢継ぎ早に飛び交い、私はただひたすら混乱し、最後には理解することをすっかりあきらめ、結局各自の分担が決まり、段取りが全て伝えられた後で、「私はどこに行けばいいんでしょう?」と確認させていただくことになりました。
私の役割は原部落の墓地の横を通って山に入る細い道を安達さん、利幸さんと3人で刈り払いすることでした。 3kmほどの山道をかなりの速度で刈り進みます。 森の中の道なので、それほど雑草が生い茂っているいる訳ではないのですが、3kmの山道を歩くだけでも結構疲れます。
安達さんも利幸さんも直径5、6cmの木の枝を草刈り機で簡単に切ってしまいます。 草刈り機は草だけを刈り取る道具だと思い込んでいたものですから、最初はびっくりしました。 私も真似をしてみたのですが、切れたのはせいぜい2、3cmの枝だけでした。
今夜は見事な星空です。 天の川が真上の空を北から南へ横断しています。 大井沢に来て、生まれて初めて天の川を見た私の娘はしばらくの間、それが天の川だということを知らず、夜空に雲がかかっているのだと思っていたそうです。
そう言えば、私にも娘たちに天の川を教えてやった記憶がありません。
東京では天の川を教えること事態が無理です。