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2003/07/30: "慈雨"
昨夜からの雨はまさに「慈雨」。
おかげで今日は薪割りを休むことができました。 たった2日の薪割りで半死半生の態だったので・・・。
昨夕、雨が本降りになる前に大急ぎで車庫に運び込んだ薪を、今日はのんびりと時間をかけて積み上げました。
薪を積み上げて棚にする最大のポイントは「崩れない」ことでしょうが、割った木は摩擦係数が極めて高いので、意識的に変ことでもしない限り崩れるということは無さそうです。
そこで、次に重要なポイントは積み上げたときの「美しさ」になります。
美しく積み上げられた薪棚を創るためには素材の良さが重要です。 素材、つまり薪は長さが均一であり垂直な断面を見せていることが必要で、このような薪を揃えるのはほぼ不可能です。
太い丸太を垂直に切断するためには精確に目立てがなされたチェーンソーとそれを使いこなす技術が要求されます。
精確な目立てにはプロの技が要ります。
しかも、薪用の木材は太さも曲がり具合もまちまちで、1本1本が好き勝手な形状をしています。
これらの薪を組み合わせながら垂直に、真っすぐに、壁のような平面をつくり、正確な直方体に積み上げられれば、これはもう単なる薪棚ではなくて「作品」と呼ぶべきものになります。
大井沢では、こんな「作品」があちこちに屋外展示されています。 そんな作品に出会うと、思わず立ち止まって見ほれてしまいます。 まさに「鑑賞」に値する作品群なんですが、これらを正しく評価し、深い味わいを理解するには作者同様のセンスと薪棚制作技術に関する高度な知識が要求されます。
私も2年近い経験と数多くの作品群を鑑賞したおかけで、かなり眼が肥えてきたと自負しています。
(いい批評家がいい作品を創造できるとは限らないのが、芸術世界のサダメではありますが。)
午後になって日が差し始めました。 あと2日か3日の作業です。
私はせいぜい「崩れない」薪棚で満足することにします。
薪ストーブも楽じゃありません。