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2005/09/14: "漱石も藤村も、そして川端康成も面白くなかったんだ。"
10年ほど前に講談社から出ている本ですが、とにかく可笑しい本です。 病院の待合室で読んでいて、笑いをこらえるのに苦労しました。 絶対に火葬場の待合室なんかでは読んじゃいけません。
<あらすじで読む・・・>シリーズじゃないし、選ばれた100冊の解説なんてどうでもいいんですが、選考会議(?)での伊藤光晴、大岡信、丸谷才一、森毅、山崎正和の対談が可笑しい。
この5人組は言いたい放題で、啄木なんて「あまったれ」と吐き捨てるし、芥川を「浅薄」だと決め付けるし、川端の<雪国>を「どうしようもない」と言い切るし、志賀直哉の小説なんか「いらない」し、三島由紀夫なんて「コント作家」なんだそうです。
実は、私は、鴎外も藤村も、漱石も芥川も川端康成も志賀直哉も、ちっとも面白くなくて、三島由紀夫なんてうんざりするだけだったものですから、子供の頃からずう〜っと後ろめたさに悩んでいたんですが、この本で少しは気が楽になりました。 やっぱり面白くなかったんですね。 これからは明るく生きて行けそうです。
ただ、この本には藤沢周平「用心棒日月抄」とか池波正太郎「剣客商売」、大沢在昌「新宿鮫」なんかが入ってないんですね。 5人組の見識を疑います。 (丸谷才一も山崎正和も<海坂藩>を知ってるんですから、読んでるはずです。)