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2005/09/02: "猪は野生の香り"
今夜は館山から届いた猪肉をシンプルなシチューにしました。 味付けは塩漬けの豚バラ肉と胡椒だけです。
ほんのりと野生の香りを残しながらも上品であっさり、絶妙、夏向けシチュー。
ビールよりは冷やした赤ワインの方が良かったかも知れません。
この他には茄子と胡瓜の糠漬け、それに福島の幸水。 ちょっと変だったかな・・・。 でも、違和感は全く無し。
20年ほど前の夏の終わりに、ダブリンのレストランで夕食にご馳走になったアイリッシュ・シチューを思い出しました。
それは悪夢のような体験で、いまだにうなされて真夜中に飛び起きることがあります。
もし、ダブリンに行く機会があったら、<ケルティッシュ・ミュウ>というレストランのアイリッシュ・シチューを是非とも試すべきです。
まず、そのヴォリュームに圧倒されます。 白い陶製の巨大な器には、あふれんばかりに羊の肉(ラムなどという軟弱なしろものじゃありません。)、ジャガイモ、玉ねぎ、ニンジンが盛り付けられ、私の感覚では10人分くらいはありました。
その日の昼に、ダブリン郊外のレストランでご馳走になったアトランティック・サーモンのソテーも私がいつも食べている塩ザケ15切れ分くらいの大きさで、夜になってもまだ14切れ分くらいは胃の中に残ったままだったものですから、目の前にドンと置かれた大量のシチューに取り掛かるには、大変な勇気と決断と努力が必要でした。
食べ切れませんでした。 3分の1がやっとでした。 招待してくれたマグロティさんには、とても申し訳のないことをしてしまいました。 ダブリンでも一流のレストランだったようなんです。
味の方は、羊の香りを十分に残した塩と胡椒だけの薄味。 羊好きにはたまらないことでしょう。
でも、あの料理をご馳走と呼べるのかどうか、今でも疑問のままです。 アイルランドの味ではあるのかもしれませんが・・・。 それに、あれは本当に一人前だったんだろうか? 別のテーブルの10人グループが注文したものを間違えて出したんじゃないだろうか、などと思ったりもします。
ダブリンで飲むギネスの黒生ビールは絶品です。 あれはもう、別格ですね。
私が泊まっていたホテルのバーには陶製の容器に入った月桂冠が置いてあって、バーテンの話では「飲むのは日本人とアメリカ人だけだ。」とのことでした。 ダブリンのホテルで月桂冠を飲んでいる日本人てのも、私の理解の範囲を大きく超えてしまう存在ではあります。