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2007/04/18: "房総の筍"
館山の郊外に住む知人から房総の新鮮な筍が届きました。
山形新幹線の車内に置いてある雑誌を見ていたら、「東北地方では筍と言えば細くて短い根曲がり竹の筍を指す。」などと馬鹿なことが書いてありましたが、山形にだって孟宗竹も唐竹もありますし、鶴岡地方の孟宗の筍は特産品です。
この孟宗竹の筍を使った「孟宗汁」と言うのが、鶴岡の名物料理なんだそうです。 これからの季節、山形のスーパーに行くと「孟宗汁用」として牛肉や豚肉の薄切りが売られるようになります。
「孟宗汁」なる料理がいかなるものなのかいまだに分かりません。 肉売り場のオバサンや筍を売っている店員に聞いても、鮮明にイメージできるような答えが返ってきません。
今までに得た情報を総合すると、どうやら筍、牛肉(あるいは豚肉)の薄切り、油揚げ(厚揚げかも知れない)、椎茸などを汁仕立てに煮て、味噌と酒粕で味付けをする・・・らしいんだけど、これって単なる筍の味噌汁ってこと?
山形には「芋煮」と称する料理(?)もあって、何か特別な名物料理でもあるかのような騒ぎだけど、これも実物は里芋と牛肉(あるいは豚肉)、牛蒡、葱などの汁に過ぎないし、どうも山形ではこの手の料理で大騒ぎする傾向があるらしい。
しかも、牛肉や豚肉を使っているところを見ると、孟宗汁にしても芋煮にしてもせいぜい30年程度の歴史なんでしょう。 少なくとも藤沢周平の時代小説には登場しませんよね。
ま、ダブリンで食ったアイリッシュシチューにしてもボストンのリーガル・シーフードで出されてクラムチャウダーにしても、別に大騒ぎするほどのもんでも何でもなくて、所詮郷土料理とか名物料理などと言うものはそんなもんなんでしょう。
(30年ほど前に食肉に関する全国調査をしたことがあるんですが、「肉」と言ったときに関西では牛肉をイメージし、東海・関東は豚、関東北部から東北にかけては鶏という結果でした。 実際、当時の東北地方のスーパーや肉屋では牛肉をほとんど扱っていませんでした。)