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2010/02/16: "「エコミュゼ」って知ってます?"
いつの間にか「<U猫>の日記」が再開されていて、思わず読んじゃいました。
それはそれとして、今年の大井沢はまだ積雪が1m70cmあるかないかと言ったところです。
今日は朝から雪を満載した大型のダンプカーが何台も何台も通り過ぎるので、何をしてるんだろうと思っていたら、27日に開催される雪祭りの会場に雪を運んでいるんだそうです。
大井沢で雪不足だなんて、これも地球温暖化の影響なんでしょうか。
この季節、山形のみならず東北、北海道では雪祭りだらけで、しかも雪不足で地方によってはダンプカー数百台分もの雪を運んだ、などと聞きます。 山形のさくらんぼ農家が、暖かくなり過ぎた山形を見限って北海道に移住したなんてことも聞いたことがあります。 あと10年もすれば、この辺りでも蜜柑の露地栽培ができちゃうんじゃないか、と楽しみにしています。
先日、東北大学や東京大学の先生方がお見えになって、「大井沢エコミュゼ化計画」の話をされていました。
先生方の詳細な調査、分析の内容をうかがっていると、大井沢の自然環境の素晴らしさを改めて思い知らされます。
その素晴らしい自然環境を生かして、エネルギー源を石油から薪と水力に置き換えるだけで現在の大井沢のCO2排出量を95〜6%も削減できるんだそうです。
いや、本当に突っ込みようが無いほどの見事な分析と報告で、ただただ「仰る通りでございます。」とひたすら納得ではありました。
でもね、たった300人きり住んでいない大井沢のCO2排出をゼロにしたからと言って、鳩山さんの削減目標には何の貢献もしないだろうし、年寄りたちが10年も20年もかけて「エコロジカルで地球環境に優しい持続可能な地域社会」(つまりエコミュゼ)を無理やり作ってみても、完成した頃には誰も住んでいなかも知れないし、誰も居なければCO2なんて排出したくても排出できなくなってしまうんだろうし・・・などと考えるのは後ろ向きで良くないですね。
じゃあ、大井沢の人たちが半世紀前のエネルギー消費形態に戻って、2mを超える雪の中から薪用の木材を切り出し、炭を焼き、沢の水を引いた小水力発電に頼る生活を実現したとしても、それは今の都会生活には何の波及効果も期待できないだろうし、ただの「エコミュゼ」と言う名の見世物で終わってしまいそうな気もします。
ま、見世物なら見世物として、それが地域活性化の目玉にでもなればいいんだろうけど、その実現に必要な諸々のリソースをどこに求めればいんだろう? 特に「持続可能な」human resourceは?
しかし、ここには先生方の考える理想郷を創り出すだけの自然環境はありますね。 さて、どうしましょうか?
薪ストーブで暖まって、水力発電でパソコンを使いたい皆さん、大井沢に移住しませんか? 4WDの木炭自動車でブイブイ言わせるなんてのは凄くカッコいいと思いませんか?
雪だって、近年はずいぶんと少なくなっていることですし、山菜だって茸だって豊富だし、旨いし、赤提灯も縄のれんも無いし、クラブやバーだって無いし、無駄金なんて使わなくて済むし、生活習慣病なんてすぐに治っちゃいますよ。
仕事? 生活費? 大井沢に来てまでそんなことで悩むのは愚の骨頂です。
のんびりと雪見酒でもやりながら薪ストーブの炎と美しい季節の移ろいを楽しむのが一番!
(*Ecomusee=仏語らしい。 英語ではEcological Museumってことかな?)