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2010/02/03: "ソフトのコピーが違法だなんて・・・前例踏襲の役人根性"
ま、BSAの誰かさんにしてみれば笑い事じゃないってことなんだろうけど、今朝の朝日新聞(山形版)を見て、「相変わらずだなあ・・・。」と思わず笑っちゃいました。 役人たちの「前例踏襲」という美徳がいまだに続いているんですね。
20年以上も前、私がある米国系のソフトウェア会社でマーケティングを担当していた頃なんですが、ある日突然、滋賀県の教育委員会の担当者と称する方から電話をいただきました。
「各中学校、高校へのパソコンを導入する予算はあるのですが、ソフト購入の予算が無いので1本は買わせて貰いますが、あとはコピーソフトを配布したい。」とのことでした。
私は目が点になりましたね。
ソフトウェアの無いパソコンにどんな存在意義があるのか知りませんが、中高でのパソコン教育を推進しようなどと不埒なことを考えていながら、ソフトの購入予算を取らないなんて、まあ、馬鹿と言うか何と言うか・・・。
で、私はその電話に対して、「いえ、それは困ります。 ソフトはパソコンの台数分だけ購入してください。 ただ、パソコン本体をコピーしてソフトの数だけ用意される分には当社からは何のクレームも申し上げません。」とお答えしました。
滋賀県教育委員会のご担当の方は電話の向こうで絶句しておられました。
また、長野県の白馬農協の職員は、わざわざ「ダンボールいっぱいのコピーソフトを持っている。」と自慢の電話をかけてきたことがあります。 当時のアプリケーションソフトにかけらていた、コピー防止のためのプロテクトプログラムを破ったことを自慢したかったようです。
「あなたと話してもしょうがないので、上司の方を電話に出してください。 これは明らかに著作権法違反なので、話によっては白馬農協を告訴するようになるかも知れません。 電話で済むようなことでもありませんので、今からすぐにそちらに伺います。」
なんてことを言って脅したら、途端にしどろもどろ。
後日、地元特産の巨大な漬物セットが送られてきましたけど、送り返しましたね。
昔から、パソコンのアプリケーションソフト違法コピー悪辣ランキングは:
第1位: 小中高の教員
第2位: 地方自治体、公共団体
第3位: 某大手通信会社
なんてことが言われていました。
あるとき、某大手通信会社の本社に呼び出されたことがあります。
私を呼び出した某社の職員によると、社内の違法コピーソフトは14億円分に相当するので、何とか格安に正規ソフトを提供してもらえないだろうか・・・という虫のいい話でした。
先方が出向いて来て、頭を下げるんだったら考えようもあるでしょうが、こちらを呼び出しておいてお茶の一杯も出さずに、ただ同然の価格でソフトを売れだなんて、泥棒が自宅に検察を呼び出して執行猶予を要求しているようなもんです。
もちろん、私は「正規のソフトを正規の価格でご購入いただけないのでしたら、著作権法違反での告訴とそれに伴う損害賠償の請求を検討させていただきます。」てなことを言って帰ってきました。 その後のことは知りません。
その直後に東京国税局から電話があって、また同様の話かと思い、嬉々として電話に出たら、「ストックオプションの所得が申告されておりませんので、出頭してください。」とのこと。 頭に来ましたね。 でも、ここではインスタントコーヒーを出してくれて、「お代わりはいかがですか?」なんてことまで言ってくれました。
そんな訳で、北海道庁では2万本以上、7億円に近い違法コピーソフトが見つかったんだそうだけど、DVDプレイヤーにDVDソフトが無ければ何の意味も無いことは分かっているくせに、IT機器の導入部署の連中はアプリケーションソフトについては意識に無いか、いまだにコピーで間に合うものと思っているらしい。 それが彼らの前例だったんでしょう。
要するに、公の職業に近い連中ほど著作権に関する順法意識が薄いってことなんでしょう。
教員は「子どもたちの教育に使うんだから・・・」と言い、公務員は「公共の仕事に使うんだから・・・」と言い訳します。
でも、テメーらは教員と言う職業で給料を稼ぎ、公務員と言う職業で生活が成り立っているんだから、その月給を稼ぐための手段に法律を犯すなんてのは言語道断。 盗んできた電卓を使っで予算を立て、コンビニで万引きしたボールペンで生徒の試験を採点するのと全く同じです。
もっとも、違法コピーソフトが最も蔓延しているのはソフト業界・・・なんてことを聞かないでもないけど。