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2012/04/21: "釣りの本"
夢枕獏氏が「大江戸釣客伝」で、吉川英治文学賞、泉鏡花文学賞、舟橋聖一文学賞の3賞を受けたとか。
釣りに関する本なら、何でも飛びつく方なんですが、どういう訳かあまり興味がわきません。
開高健や井伏鱒二を読み過ぎたせいかも知れませんね。
昔、夢枕獏さんとは一日一緒に釣りをして、一晩一緒に割り勘で酒を飲んだことがあります。
そんなこともあって、この小説家に対してはちょっと親しみを感じていたりもするんですが、どうも彼の釣り話はあまり面白くありません。
シマノから出ている「Fishing Cafe」に連載しているエッセイも毎回読んでいるんだけど、いまひとつ心が踊らない。
これは、本人が書いた文章では無くて、彼の釣り話を聞き書きしているせいもあるんでしょう。
とは言いながらも、この傑作らしい小説、Amazonに注文しないまでも、町立図書館から借り出して・・・と思ったら、まだ我が町の図書館には入っていませんでした。 近くには本屋も無いので、立ち読みもできません。
急に釣りの本が読みたくなって、佐藤垢石の「釣の本」を引っぱり出しました。
「序」の最初の2行が面白い。
「釣の文章を書くのは、随分むずかしい。 指導的にばかり記述すれば、興味が薄くなる。 また、随筆や紀行にばかり偏すれば、釣から遠ざかってしまふ。」
なるほどね。