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2004/11/19: "異物への違和感・・・じ〜っと見つめる理由"
雨が降ったり止んだりの日々が続いていて、すっきりと晴れ上がることがありません。
畑の作業も、薪割りも半端な状態で中断したままです。
今日も朝から雨。 窓の外のカラマツに止まって樹皮を突付き散らしていたアカゲラが行商の八百屋さんが流す大音響のド演歌に驚いて飛び去りました。
居間の窓に広がる前山は今日も雲の中です。
昨日、雨の合間を見てアスパラガスの植え付けをしていたら、畑の横に見たことのない車がとまります。 どうしたんだろうと思って見ていると、学生風の若い男性が下りてきて「この辺りで焼畑をやってるところを教えてください。」と言います。
え? 焼畑? ラオスとミャンマーの国境あたりの話じゃなくて、この大井沢で?
少なくても私は大井沢での焼畑などと言うものを見たことも無ければ聞いたことも無いので、「地元の方に聞いて見たらどうですか・・・。」と伝えたのですが、彼から見れば私も地元民だったんですね。 焼畑農業の研究でもしている学生なのかも知れませんが、なぜ大井沢なのか不思議でしかたがありません。
ここで日常を過ごしていると、知らない人や見たことの無い車をじっと見つめたり、いつまでも目で追っていたり、わざわざ振り返って見たりすることがあります。
そう言えば、地方の小都市や農漁村などへ行くと、地元の人たちからじっと見られて居心地の悪い思いをすることがよくあります。 どうやら私もそれと同じ行動を取り始めているようです。
東京では自分の周囲に居るのは見ず知らずの人間ばかりだし、何か非日常的なことが起きてもそれが日常だし、いちいちよそ者に注意を払うこともなく、非日常的なことがおきても別に驚くこともなく、自分を取り巻く環境を無視することが当たり前だったように思います。
ここでは、よそ者は明らかに異物です。 従って、見ず知らずの人たちに対してはかなり強い違和感を感じます。 決してよそ者を嫌悪したり、白眼視したりしている訳ではないのですが、強い興味を引きます。 見たこともない人間が現れれば、何をしに来たのか、何をしているのか、何をしようとしているのか、誰を訪ねてきたのか、何者なのか・・・と限り無く興味を引かれて、思わずじっと見てしまったり、いつまでも目で追ったりしてしまいます。
村での生活に都会のようなプライバシー感覚を持ち込むことは無理です。 個人のプライバシーにこだわり、近所付き合いに一線を画している限りは「異物」として扱われ続けることになります。
私の大井沢での生活も来月でちょうど3年になりますが、どうやらまだまだ「異物」のようです。 毎日のようにリヤカーを引いて歩いたり、イナゴ捕りをしたりしていれば、それも当然かも知れません。
「今時、リヤカーなんて使ってるのは柳沼さんだけだ。」と言われますが、野菜や農機具、肥料などを運ぶにはとても便利です。