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2007/08/11: "暑さの表現"
「暑さ」を写真で表現するのはひどく難しいことのように思います。
熱気で霞んだ山の風景は絵にしてしまえば爽やかな高原の涼しさにも見えるし、太陽に焼かれて白く光る河原の石だって写真に撮ればただの川岸だし、結局は麦わら帽子をかぶって汗だくになっている甲子園の観客ってことになるんですかね。 人にもよるのかも知れないけど、寒さの表現の方がはるかに簡単なように感じます。
どうも、日本民族は寒さに関してはかなりのこだわりがあったのに、この夏の暑さとは真面目に向き合おうとはしないまま来てしまったような気がします。
風鈴や鉢植えの朝顔でごまかしたり、ノキシノブの鉢を吊るしてみたり、団扇の絵を涼しげなものにしたりと言った演出や小道具で暑さを「見なかったこと」にしてやり過ごそうとしていた気配です。 夏の最も暑い時期に「立秋」などと言うのもそのごまかしの一つで、夏そのものも無かったことにしたいのかも知れません。
もっとも、近代化される前の日本の夏は風鈴の音でも聞いていれば涼しくなれる程度の暑さだったんでしょうけど。