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2004/04/23: "パソコン講座給付金"
パソコンの通信講座を運営している会社が、実態の無い講座を対象に国から1億6,500万円もの教育訓練給付金を受給していたとのこと。
今さら「パソコン通信講座」も無いもんだと思うけど、そんなものを対象に「教育訓練給付金制度」なんてものがあること自体、税金の無駄遣いのような気もします。
そりゃあ、給付金制度を悪用して詐欺を働いた連中が悪いのは当然ですが、2年間もこの詐欺行為に気づかず、これを放置していた厚生労働省のずさんさの方がさらに問題だと思います。
こんな制度がいつからスタートしていたのか知りませんが、多分、「IT」を「イット」などと呼んだ総理大臣のころにでも始めたんでしょうね。 「IT立国」か「e-Japan」か知らないけど、失業者を対象にしたパソコン講座に何らかの意味があるとは思えません。
職を失った人たちはパソコンが使えなかったから失職したんだろうか? その人たちはパソコンを使えれば簡単に再就職できるんだろうか?
それとも単に無能だったから首になっただけで、パソコン・リテラシーと失職とは関連が無なかったんじゃないだろうか?
だとすれば、そんな無能な連中に一太郎やExcelを教えようが、インターネットや電子メールの使い方を教えようが、無能は無能のままだと思います。
無能な連中がExcelを使っても、どうせ無能な使い方きり出来ないし、無能な連中が一太郎を使おうがWordを使おうが、彼らの日本語が飛躍的に上達する訳でもないし(一太郎の場合はどうやら突然素晴らしい日本語が書けるようになるそうだけど、これはマユツバですね。)、どうも役人どもの浅知恵には理解できないものがあります。
昔、文部省主導の「中高年の雇用促進をはかるためのパソコン・リテラシー教育」みたいな会議に呼ばれて、「馬鹿にパソコンを教えても利口にはなりません。 馬鹿は馬鹿のままです。」と言って、夕食に出されたうな重を食っただけで帰ってきたことがあります。 かなりおいしいうな重でした。
で、問題はうな重ではなくて、役人どもが考え出すところの諸々の「制度」ですね。 まず、一度「制度」が出来てしまうと、あとは野放し状態で、運用上のチェック機能や見直し機能がほとんど働かない。
例えば、今日の朝日新聞31面に、東北文化学園大学なる学校法人が1997年に旧文部省に出した「大学開設認可申請」に虚偽記載があったとかで、文部科学省が調査を始めたという記事が載っています。
当時の文部省の役人は書類に不備がないかどうかをチェックしただけで、裏づけ調査は全くしなかったんでしょうし、その後6、7年も偶然に虚偽がバレるまで、そのまま放置されていたってことですよね。
さらに、「圏央道事業認定取り消し」などというニュースもあるけど、何十年も前に決めた道路の建設計画を必要性が無くなってからも推し進めようとする馬鹿な役人や行政の無責任さを示す典型的な例のような気がします。
「計画」や「制度」が出来てしまうと、途中での見直しやチェックはほとんど行われず、ましてや廃止や中止なんてことは全く念頭に無いようです。