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2004/08/11: "すぐそこ・・・"
のんびりとした農村や漁村に行けばどこでも似たようなものですが、道を尋ねて「ああ、すぐそこだ。 5分で行けるよ。」と教えられても、それを真に受けるのは間違いです。
先日の夕方、6時過ぎ、家の周りの花や植木に水をやっていたら、観光客らしいオバさんが私に声をかけて来ました。
客:「民宿ですか?」
私:「私のところですか? いいえ、違います。」
客:「この辺で一番近いガソリンスタンドはすぐその辺にあるんですか?」
私:「いや、20kmか25kmはありますよ。」
客:一瞬絶句して・・・「え〜? すぐそこだって言われたんですよ。 それで、主人が車のガソリンを入れに行ったんですが、もう40分にもなるのに帰って来ないんです。 携帯電話も通じないし、心配で心配で・・・。」
私:「1時間はかかると思いますよ。 大丈夫ですよ。 そろそろ帰ってくるでしょう。」
などという会話を20分もしてしまいました。 それでも帰って来ないし、携帯電話も通じないって言うし、もしかしたら道を間違えて鶴岡方面にでも行ってしまったかとも思いましたが、辺りは暗くなって来るし、我が家も夕食の時間だし、彼女のお相手をしていてもきりがないし・・・で彼女を道路に置いたまま家に入ってしまったんですが、その後事故の話も聞こえて来ないところを見ると無事だったんでしょうね。
で、「すぐそこ」とか「5分」とかという単位、あるいは概念とか定義などと表現すべきなのかも知れませんが、これは都会と田舎じゃかなり異なります。
その土地柄や個人、あるいは時間帯や状況によっても「すぐそこ」や「5分で行ける」場所は極めて柔軟に変化する訳ですが、私の大井沢での経験で言えば、「すぐそこ」は20km以内、「5分」は30分のことです。
300mや500m先の場所を指すときは、かなり具体的に「次の橋を渡って50mほど先の左」とか、「ここから1kmも無いなあ・・・。」などと教えてくれます。
「この道をまっすぐ行って、トンネルを抜ければすぐだよ。」などと教えられたら、その時は15kmから20km、時間にして30分と理解すべきです。
「すぐそこ」の被害者って結構多いらしいんですが、この辺りでは「モスバーガー 10km先」、「Jusco ここから24km」とか「セブンイレブン 2km戻る」なんて看板がそこここにあるんですから、20kmや30kmはやはり「すぐそこ」なんですね。
私の友人が住んでいる北海道の標津町では若い人たちが60kmだか80kmも離れた釧路までケンタッキーフライドチキンを買いに行くそうですから、道東の「すぐそこ」はまた尺度が違うのかも知れません。