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2004/08/24: "アリビジネスはありか?"
ごく一部かも知れないけれど、Antquariumなどという不可思議なモノで盛り上がっている人たちが居るらしい。
なんでも、透明なプラスチックの箱にアリを飼って、アリが穴を掘って巣を作る様子を見て楽しむんだそうです。
ところが、都会の人たちにとっては肝心のアリの確保が意外に難しいとのこと。
そこで、我が家の周りにウンザリするほど巣を作っているアリどもを一網打尽にして1匹100円くらいで売ったら濡れ手に粟の大儲けができて、過疎に悩む大井沢の村興しにも大いに役立って、もしかしたらプロ野球チームのひとつや二つは買えるんじゃないか・・・などと思っても見たんですが、冷静になって計画を練り直してみるとMicrosoft Excelを使ってのシミュレーションをするまでもなく、このビジネスは成り立ちそうにもないことが分かってきました。
ビジネスが成り立ちそうにもない理由としては以下の5項目が考えられます。
(1)どうやら市場が全く無い。(私から見えている限りでは、現在のところ日本全国で3人です。)
と言うことは、市場を作るための投資が必要になる。 果たして15億円を注ぎ込んでも元を取れるかどうかの確信が持てない。
(2)お金を払ってペット用のアリを飼おう(買おう)という正しい考えの持ち主が居ない。
ひどいヤツ(上記3人の中の一人)になると、小学校の裏庭に忍び込んで不審者扱い(と言うよりは不審者そのものなんですが)されてまでも野生のアリをただで捕まえようなどと非常識極まりない行動に出たりします。
(3)可能性としてはほとんど有り得ないのですが、万が一ブームが到来して、私が1匹100円で売っていたアリを200円に値上げして、さてこれから・・・という時に三菱商事や丸紅などの大商社が中国やベトナムあたりから1匹2円とか3円のアリを輸入してダイエーやイトーヨーカドーで売り始めるのは確実です。 もしかしたら、ローソンやファミリーマートはAntquariumに付録としてただで付けちゃうかも知れません。
誰も私の「特選大井沢天然アリンコ、特価200円」を買わなくなってしまいます。 これはもう、大資本の横暴以外の何物でもないのですが、ビジネスモデルとしての特許取得も難しそうだし、対抗手段が見つかりません。
(4)これもブームが来た場合の話ですが、UNICLOとかカネボーなどが経営立て直しの一環として「有機養殖高級アリ」なんてのを売り出したり、銀座のアップルショップの向かい側やどこかのショッピングモールに専門店を出したりして、なりふりかまわずに私のビジネスを妨害しそうな気もします。
(5)その頃には、武田薬品や味の素、大塚食品などの薬品/食品メーカーが得意のバイオテクノロジーを駆使してマツゲの長い可愛い目をしたアリとか、何だか凄くセクシーなハイブリッドアリなどを商品化して、これも私の商売を邪魔するに違いありません。
どうやら結論としては「アリビジネスは無し」という事になってしまって、大井沢村興しのアイデイアがひとつ消えました。
残念です。