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2006/01/12: "浅ましくも類語辞典に揺らぐ"

古い話ですが、元旦の新聞に類語辞典の広告が掲載されていて、思わずAmazon.co.jpにアクセスしちゃいそうになりました。
誰か知らない人にも読まれるかも知れない文章を書いていると、適当な表現を思いつかなかったり、必要以上に言葉を選んだり、同じ表現を繰り返してしまって自分でも嫌になったりということがよくあります。 時には、何気なく使ってしまった言葉の意味が果たして正しかったのかどうか、そんなことさえもが後で分からなくなったりすることもあります。

昔々、大学を卒業してすぐの頃、日本の大手企業数社が発行する海外向け広報誌の編集をしていたことがあります。
記事を書くのはイギリス人やアメリカ人のコピーライターだったり、英字新聞の記者だったりするのですが、彼らに渡す資料は私がつたない英語や日本語で書いていました。
建築、土木、鉄鋼、自動車、重電、家電、電子関連、公害、日本文化、食品、料理・・・ありとあらゆる分野の日本語を調べなければなりませんでした。 それに、ライターの皆さんには書いてもらいたい内容を誤解の無いよう正確に伝えなければなりません。 ただひたすら誤解されない文章を書くことばかりを考えていた時期です。 それでも、内容が通じなかったり、意味を理解してもらえなかった、信じられないような誤解をされたりということはしょっちゅうでした。
それ以来、人と言うものは他人が伝えようとしていることを正確には理解しないで簡単に誤解してしまうのが当然のことなんだと思うようになりました。
今でも思い出す誤訳が山ほどあります。 <ラーメン構造>を<noodle structure>と訳した某有名通信社の東京支局長が居ました。 <ロックバンド>を<stone belt>と訳したヤツさえ居ます。 彼らは書き飛ばすことばかり考えていて、疑問を持つとか辞書を引くとか資料を読むなどと言う事はしないんでしょうねえ。

私の場合は、このBlogを通じて不特定多数の方々に自分の思ったこと、感じたこと、見たこと、聞いたことなどを正確に伝えようなどとは全く思っていません。 私のtarget audienceはほんの一握り友人や知人たちです。 彼らが私の文章を理解できなくても誤解しても、「え? そんなことも分からないの?」などとからかって終りです。
それでも、時にはカッコいい日本語を書いてみたくなることがあります。
で、ついつい<類語辞典>などというものに心が揺らいでしまったりもする訳で、これはもう浅ましいとしか言いようが無いですね。 語彙の少なさはそのまま教養と知識の欠乏に比例するわけで、それを辞書や辞典などで取り繕うような姑息なことをしちゃいけません。 今更、友人や知人たちに教養と知性をひけらかしてみたところで、その底の浅さはとっくの昔にバレている訳ですし、類語辞典への投資も無駄に終わるだけです。
と言うようなことを宣言して置けば、誤解を恐れずに訳の分からんことを平気で書けちゃうような気がして・・・。