[前の記事: "積雪2m上の散歩"] [新着記事一覧に戻る] [次の記事: "外は氷の世界"]
2008/02/12: "紀元節とベンジャミン・ブリテン"
桧原と黒淵の間にある「オオハゲ」と呼ばれる急斜面は雪崩の頻発する場所です。
オオハゲはどうやら「大禿げ」の意味らしく、大井沢では地滑り等で地肌が露出した場所を一般に「禿げ」と称するようです。(この呼び方はどうも好きになれません。)
2月11日が「建国記念の日」で休日だと言うことをすっかり忘れていましたが、今朝は新聞が来ないので思い出しました。
神武天皇即位の日を「紀元節」とした祝日を一度は廃止していながら、なぜ「建国記念の日」などと呼び方を変えて復活させたのかその理由がよく分かりませんが、初代天皇の即位した日が日本という国が出来た日と言うことなんでしょうね。
で、今年は皇紀2668年なんだそうです。
子供の頃に、ベンジャミン・ブリテンの「鎮魂交響曲」(今では<シンフォニア・ダ・レクイエム>と呼ばれてますが)を聴いていた兄が話してくれたこの曲に関わるエピソードを思い出しました。
皇紀2600年を記念して、日本政府が世界中の作曲家にその奉祝曲を募集したところ、イギリス人のベンジャミン・ブリテンがこのレクイエムを送りつけてきたので、日本政府は怒り狂って送り返した・・・と言うんです。 それを聞いた時には他の兄たちと一緒に大笑いをしたんですが、どうも真相は少し違っているようです。
それにしても、奉祝曲にレクイエムってのも皮肉と言えば皮肉な訳で、その後の戦争のことを思えば、子供心にも「さも有りなん・・・。」と納得していました。 戦後になって、ブリテンは色々と言い訳をしていたらしいんですが、でも本音は単なる嫌がらせだったような気もします。 この曲が彼の代表作のひとつになっているというのも皮肉です。
それはそれとして、どう名前を変えようが2月11日は神武天皇が即位した日ということになっているんだろうし、それを「建国記念の日」などと言い換えることで、返って何か露骨な意図が付加してしまったようで嫌ですね。 それとも、「紀元節」という呼び方が何とはなしに古色蒼然とした雰囲気なので、すこし現代的な響きの名称に変えたってことだけなのかも知れませんが。