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2008/09/20: "山で"
山道の斜面に掘り返した跡があり、中を覗いてみると壊されたジバチの巣がありました。 巣の直径は30cmほど。
辺りには蜂の巣が散乱していて、どうやら熊が蜂蜜と蜂の子で豪華な食事をした後のようです。
私も子供の頃に、村の悪童たちと一緒にジバチの巣を取りました。 ジバチの巣は必ず水はけのいい斜面の土の中にあって、小さな穴から蜂たちがしきりに出入りしています。 ジバチの出入りを発見すると、子供たちが集まって穴を掘り広げ、火をつけた麦わらで燻します。 蜂たちが煙で弱ったところを見計らって、土の中から蜂の巣を掘り出します。 巣の大きさはスイカほどもあって、大量の蜂の子が入っていました。 蜂の子はフライパンで乾煎りして、熱いところに醤油を垂らします。
蜂の子の香ばしさと蜂蜜の甘さに醤油の味が交じり合って、それはそれは大変なご馳走でした。 もっとも半分以上は大人たちの酒の肴として横領されましたが。 あれは大人たちにとってもご馳走だんでしょうね。
でも、蜂の子捕りはもっぱら子供たちの専業で、大人がそんな子供の遊びのようなことをするのは大人気なくてみっともないと言う雰囲気がありました。 それに、いくら煙で弱らせても中には元気な蜂も残っていてしきりに攻撃して来るので、蜂捕りメンバーは全員が数箇所の被害を受けることになります。 ずるい大人たちは痛い役目を子供たちに押し付けて上前だけをはねていたんだと思います。
蜂に刺されたらオシッコをかければ治る、と言う説が流行っていて、子供たちの中には自分のオシッコを手に取って刺された跡に塗っている子もいました。 私にはその勇気がありませんでしたね。 あれは本当に効果があったんだろうか? オシッコのアンモニア成分が蜂の蟻酸を中和する、という極めて科学的な理論だったんだろうけど。
スギヒラタケの群生を見つけました。
純白ではかなげできれいな茸です。 味もはかなげで上品です。
2〜3年前に、新潟や秋田でこの茸による中毒事故があってから、大井沢でも食べる人がほとんど居なくなったようです。
我が家ではマリネにしたものを瓶詰めにして保存します。 バターを塗ったパンパーニッケルにオイル・サーディンと一緒にたっぷりと乗せれば、これはもう樵と漁師の絶妙なコラボレーション、至福の朝食となります。
ところで、あのスギヒラタケ中毒事件はその後は全く聞かないけど、誰も食わなくなったんで中毒事故も無くなったってことなのかな?