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2009/07/21: "小鯛は鯛ではない・・・薄味の丸谷才一"
丸谷才一の「猫のつもりが虎」は、サラサラのお茶漬けのような薄味で全く腹にたまらない内容なんだけど、その中で藤沢周平の「用心棒日月抄 刺客」に出てくる<小鯛>は真鯛とは別種の魚だと言っているんです。
私は真鯛の幼魚が小鯛だろうと思い込んでいたものですから、どうにも気になって調べ始めてしまいました。
手元にある魚の図鑑類は淡水魚のものばかりなので、小学館の食材図典、広辞苑、Wikipedia・・・と探ってみても、どうもはっきりしません。
色々と見ているうちに、<チダイ>(ハナダイ、チコダイ)を日本海側の多くの地方で<コダイ>と呼ぶらしいことが分かりました。
この<チダイ>は、上記の食材図典によれば夏が旬の魚だそうです。 藤沢周平が「夏の終わりころの小鯛は最高の美味だが・・・」と書き、丸谷才一が「庄内浜の夏の小鯛の華奢な味はひを形容することは、芭蕉にだってむずかしかった。」と言っているのとぴったりと符合します。
となれば、近いうちに鶴岡か酒田辺りまで出かけて行って、是非とも新鮮な小鯛を手に入れなければ収まりがつきません。
で、この文庫本に挿んであったチラシの表が林真理子の「本朝金瓶梅」、裏が皇后様の御著書じゃありませんか。
「金瓶梅」がどんな内容の本なのか全く知りませんが、何ともまあ、恐れ多いことではあります。