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2003/11/16: "木の葉流し"

大井沢には今頃になると「木の葉流し」というちょっと風流な名前の行事があります。
今日は、原部落の「木の葉流し」でした。

昨夜から降り出した雨は、今朝の3時頃からは稲妻と雷をともなった猛烈な嵐になりました。
風も雷も明るくなってからは収まりましたが、雨は時おり小止みにはなるものの、午後になっても続いています。
朝8時、その雨の中を部落中の家々から一人ずつ、各自重装備のレインギアに身を包んで手にはスコップやホーク、腰には山仕事用の鉈や鋸を下げて、原店(はらみせ)横の広場に集まりました。

大井沢では、沢の上流から水を引くための用水路が各部落ごとに2、3本ずつあり、それぞれの部落で維持管理しています。 それらのほとんどは山の急斜面を巻くように掘削されて、中には長さが数キロになるものもあります。
これらの水路が江戸時代には既に完成していたものなのか、それとも明治に入ってからの工事なのか、はっきりしたことは分かりませんが、いずれにしても全ての工事が人手でのみ行われた事は確かです。
そのまま手ですくって飲めるような澄んだ冷たい水が流れていて、あちこちでイワナの姿を見ることができます。

晩秋の雪が降リ積もる直前に、部落総出でそれらの水路に溜まった落ち葉を流し、崩れた箇所を補修して、来年春の農作業に備えるのが「木の葉流し」です。
原部落では、大井沢川からの水路と佐土沢からの水路の2本を管理しています。
私は佐土沢からの水路を担当する10名のグループに加わりました。 先ず全員で沢からの水の取り入口のある水路の最上流まで上ります。
この水路は長さが5、6km。 沢水の取り入れ口に溜まっている大量の落ち葉を取り除くと、一気に急流になって流れ出します。  全員で底や岸に溜まった落ち葉を流し、取り除き、崩れかけている箇所を補修し、邪魔な木の枝を払いながら水路沿いに下ります。
私は段取りが良くわからずに途中でモタついていたら、一人だけ取り残されてしまいました。 クマの沢山居る山の中です。 少し(ほんの少しだけです)心細くなって、大急ぎで皆を追いかけたのですが、いくら急いでも追いつけません。 もしかしたら別ルートに行ったのではないか、私の知らない道を全員で引き返してしまったのではないか・・・追いつくことをあきらめてしばらく雨の中で山を眺めていたら、「オ、居た、居た。」などといいながら皆が引き返してきました。
心配をかけたのでは・・・などとも思ったのですが、誰も気にしている様子もなくて、ほっとしました。

10時半には作業も終わって解散。 気温15℃とまるで夏に戻ったような暖かさだったので、雨の中でも少しも苦にならず、かえって楽しい半日でした。
で、やっぱりゴアテックスは、今日のような土砂降りには弱いですね。 何とはなしにジワジワを雨がしみ込んで来ます。 20年位前に上州屋で買った3,000円の上下の雨合羽を着て行くべきでした。