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2005/08/05: "贋作<Fly Fishing through the Midlife Crisis>・・・<フライフィッシング讃歌>"
この2冊の違いは言語だけだと思ったら大間違いです。 タイトルが全く違うように、内容も似て非なるものです。
時には全く正反対のことを言っているだけじゃなく、日本語の本(2,500円もしました。 金返せ!)は嘘だらけです。
"The dead are not powerless."に対応する日本語を「死者は無力である。」などと書いたりするものだから、その後の文章が支離滅裂で収拾が付かなくなってしまったりします。
<フライフィッシング讃歌>というタイトルもひど過ぎます。 (A River Runs through It が<マクリーンの川>ってもの信じられません。) 腰巻のコピーもひどいですね。 男は釣で離婚、破産、倒産などの人生の危機に陥るんです。
<フライフィッシング・・・>は、<Fly Fishing through the Midlife Crisis>(Howell Raines)の日本語訳だなどと言ってますが、真っ赤な嘘。 ほとんどは訳者と称している方(青山学院大学文学部の教授だそうですが、少なくとも英文学専攻ではなさそうです。)によるパロデイです。 そう思って読めば許せないこともないですが、内容は全然面白くはありません。 このパロディ作家はフライフィッシングに関する知識が皆無なだけではなく、一般的な常識にも欠けています。
病院の待合室で読んでいたら、だんだんと腹立たしくなってきて床に叩きつけたくなりましたが、我慢してバッグに戻しました。 読み始めたときから、どうしようもない違和感を感じていたのですが、3分の1ほどまで読み進んで我慢できなくなりました。 本代と時間をすっかり無駄にしてしまいました。 編集者もよほどの馬鹿か、原稿を一度も読んでいないかのどちらかですね。
買った本がつまらなくてがっかりすることはよくあることですが、腹が立つほどのことはそう頻繁に起こることではありません。 この本は、その稀有な例です。 頭に来て捨てちゃった本もありますけどね。
(町立病院の待合室って、お年寄りたちの憩いの場、癒しのサロン、和みセンターになってるんですね。 患者さんの98.8%くらいがお年寄りで、とても楽しそうでした。 まるで、宴会みたいに大声で盛り上がっている方まで居たりします。 元気に病院通いをしているお年寄りたちを見ると、こちらまで嬉しくなります。 くだらない本にいらだっていた気持ちがすっかり癒されました。)