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2008/07/17: "月にむら雲、「蝶々は誰からの手紙」、大野晋"
昨夜は流れの速い雲が次に次に月にかかり、それなりに結構な月見になりました。
カメラの前を通り過ぎた蛍も航跡を残しているかと思ったのですが、数秒の露光では無理だったようです。
もし、私が文筆を生業にしている人間だったら、絶対にこの人にだけは自分の書いたものを読まれたくない・・・と丸谷才一の「蝶々は誰からの手紙」を読んでいて思いましたね。
国語学者の大野晋氏が先日亡くなられたとのこと。 この人の日本語タミル語起源説は結構突拍子も無くて際物風で面白いんだけど、丸谷才一との対談もすっごく面白いですね。
で、丸谷才一は「日本語源大辞典」や「日本国語大辞典」が新村出、村山七郎らの語源説を採用しながらも、大野晋のタミル語説を無視するとは何事だ!と怒る訳です。
ただ、大野晋はタミル語が日本語に影響を及ぼしたその経緯と時代を明解には説明していなかったような気がします。 彼の「弥生文明と南インド」にはその辺のことが説明してあるのかな。