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2004/05/17: "ぬか味噌漬"
妻が私の実家に頼んで自分の畑で育てるために葱の苗を送ってもらったら、一緒に大根、蕪、ほうれん草なども送られてきました。
それを見て、妻が「そう言えば、そろそろぬか味噌の季節じゃない?」といいます。
そこで、昨年の秋に大量の塩を乗せ、紙蓋をして寝かせておいたぬか床の桶を引っ張り出しました。
香りも色も上々の保存状態です。 少し炒りぬかと塩を足して、蕪の葉を捨て漬けに漬け込みました。 2、3日手入れをすれば、ほぼ元の状態に復元するでしょう。 このぬか床は東京でも使っていたもので、もう10年ほどの歴史があります。
ところで、大井沢ではぬか味噌漬を食べる習慣が無いようです。 鰯や秋刀魚のぬか漬けも無いようです。
これだけ豊富に野菜の漬物を食べ、思いつく限りの保存技術があるのに、ぬか床を使った漬物がないというのも不思議です。 30kmほど離れた町のスーパーでは「ぬか漬けの素」などと称して袋詰めの炒りぬかを売っているところを見ると、山形県全体として見ればかなりポピュラーな漬物だとは思うのですが、いずれにしても大井沢では知らない人の方が多いようです。
私も妻も、ぬか漬けは日本中どこにでもあるものだとばかり思い込んでいたものですから、少し驚きました。 妻は仰天していました。
大井沢にはぬか床が普及しなかった歴史的な要因でもあるんだろうか?
例えば、寒冷地のために昔は米の収穫がほとんど無く、米ぬかそのものが貴重品だったとか、あるいは何らかの宗教的な理由での忌みもの、つまりタブー食品だったとか。
ま、単にここの人たちの生活習慣や味覚に合わなかっただけのことかも知れませんが・・・。 そう言えば沢庵漬けはありますね。
と言うことは、ぬか床のように毎日手入れが必要なものは維持するのが面倒なので嫌がれているのかも知れません。
誰かに聞いてみよう。