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2005/06/28: "Napoleon"
昔、日本経済がバブルで盛り上がっていた頃、どっかのオジサンがオークラだかニューオータニだかのバーで、「おい! ナポレオンのウィスキーを持って来い!」と怒鳴って失笑をかっていた・・・なんて話を聞いたことがあります。
でも、サクランボの<ナポレオン>はどうやら人気でも値段でも<佐藤錦>などという山形出身の力士と間違えそうなヤツに負けてるんだそうです。 盗まれてニュースになるのも<佐藤錦>ばかりです。 盗人にも見放されてるってこと?
ご近所から、その<ナポレオン>をいただきました。 佐藤錦よりは酸味が強く、色づきもそれほど華やかではありませんが、果肉がしっかりしていて日持ちがするし、お菓子や缶詰などの加工品として使うにはこちらの方が数段上のように思います。
今頃の季節、街の食堂で冷麦を注文したりすると、ガラスの器に盛られた麺の上に赤でもなくピンクでもなく、変に人工的な色合いのサクランボが乗って来るけど、あれは何なんだろう? 料理の一部? 単なる彩り、にぎやかし? 折り詰めに入っているプラスチックの笹のようなもの? あれを食う人っている? あれが乗っているだけで、食堂の冷麦はひどく損をしているに違いありません。
とは言っても、生のアメリカンチェリーや佐藤錦が乗っていても少しも嬉しくありませんよね。 やはり乗せるんだったら、人工着色の瓶詰めナポレオンに限るってことなんだろうなあ。 いずれにしても、私個人の好みを言えば、どちらも不要、無いほうがずっといいです。 あのサクランボが無ければ、食堂で冷麦を注文する気になるかも知れません。
先日、東京を通り過ぎた折に買い物に寄ったスーパーでは山梨産の佐藤錦を売っていました。 次のスーパーでも置いてあったのはアメリカ産と山梨産だけで、山形産のサクランボを見かけませんでした。 東京では、洋ナシだって山梨産の<ラ・フランス>が出回っているというし、これは山形経済全体から見ても極めて由々しき問題なんじゃないかととても不安になります。 我が山形県知事にはその辺のところが理解できてるんだろうか? 河口湖のブラックバス同様に、山梨県の佐藤錦やラ・フランスが持ち出し禁止になるとでも思っていたらとんでもない間違いです。
それはそれとして、ブランデーの最高級品を<ナポレオン>と呼んだり、フランスから流れて来たサクランボの品種になぜ<ナポレオン>という名が付いているのか、寡聞にして知りません。 Googleででも調べれば、すぐに由来、因縁、故事来歴なんてのは分かってしまうんでしょうが、いまだにコニャックではXOの上に<Napoleon>が居るところを見ると、やはりフランス人はナポレオン好きなんでしょうね。 ナポレオンて、I世にしてもII世にしても、それほど美味しそうには見えないんだけど、食文化の違い、味覚の違いということなんでしょう。