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2007/02/04: "旨そうな話の本"

DSC08427 (54k image)
生まれてまだ16、7ヶ月の犬が吉田健一の文章の面白さを分かるはずもなく、読むのを諦めたのか、それとも読み飽きたのか、<酒肴酒>を放り出して寝てしまっていたので、ちょっと取り上げて読み始めてみたらこれが実に面白くてついつい最後まで読んでしまったのだが、途中で犬が本を返せと文句を言って来るでもなく、せいぜい「外に出せ。」とうるさく騒ぐ程度で、やはり犬という動物は文章から食物の味や匂いをイメージすることは不得手のようで、<コットレット・ダニョー・オーゾマール・トリュッフェ・オーズイトル・フリット・マロン・シャンティイー>などという料理名を読まされても何の感動も沸かないし、匂いさえも漂って来ないらしい。

で、ひどく可笑しかったのは吉田健一という人はどうやらヘミングウェイが嫌いなようで、「作者は誰だか覚えていない<老人と海>」ってなことをドライマティニー6杯で忘れてしまったかのようなことを書いていたりします。
開高健の<孔雀の舌>、山口瞳の<行きつけの店>、丸谷才一の<食通知ったかぶり>、あるいは魯山人の料理話にしても、池波正太郎や檀一雄などの書いたものにしても、そこに登場する料理や食材のあれこれは読んでいるといかにも天下無双の美味でもあるかのような錯覚に陥るのですが、実際のところはそれほどのこともないのではないかと疑っています。 もっとも、吉田健一の文章を読んでいると何の変哲も無さそうな駅弁やホームでの立ち食い蕎麦まで天下の美味のように思えて来るから不思議です。
で、私の手元にある本の中でも驚異的に美味しそうな本は<すきやばし次郎 旬を握る>(文芸春秋)ですね。 これは実に旨そうな本です。

外は相変わらずの雪。 もう4日も降り続いています。