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2007/03/08: "テンが住み着いて被害甚大"
カーポートの天井まで積み上げた薪の中にテンが住み着いてしまって、甚大な被害を受けています。
被害(1): ゴミを食い荒らす。
被害(2): 絶望に打ちひしがれる・・・。
家族が焼くベーグルブレッドに薄切りの玉ねぎ、スモークサーモン、クリームチーズを挟んで食べるのは朝食の定番のひとつです。
スモークサーモンは冬の寒い時期に、生の紅ザケを手に入れて自分で燻製にします。 ところが、大井沢に住んでいるといい紅ザケの入手はとても困難です。 先日、その紅ザケのフィレを寒河江市のスーパーで見つけて、4枚ほどまとめ買いをしてきました。 我が家1年分のスモークサーモンになるはずです。
ジュニパーベリー、フェンネル、ベイリーフなどで香り付けをしたたっぷりのソミュール液に18時間漬け込み、日陰の風通しのいいところで風乾を半日。 それをピーナッツオイルに24時間漬け込んだら、さらに24時間の風乾が必要です。
3日ほどそんな作業をしていて、燻煙をかける直前に車庫の車の屋根に乗せて最後の風干しをしていました。
2時間ほどして見に行ったら車の屋根が実にすっきりとしていて、上に乗っているはずの艶やかに光り輝いていた紅ザケのフィレが1枚もありません。 サケを乗せていた発泡スチロールの板と下に敷いていた紙だけが虚しく残っています。
妻が、「何か居るよ!」と大声で言います。
見れば、車庫の天井と積み上げた薪の隙間からこちらの様子を覗っているテンの丸い顔が見えます。
スコップや長い棒を使って追い出そうとしたのですが、薪の中に潜り込んでしまって出てきません。 薪の上によじ登って懐中電灯で照らしてみたのですが、気配はすれども姿は見えません。
しかも、私の大切な紅ザケの痕跡さえも皆無なんです。
たった2時間で4枚のサケのフィレを食い尽くしたとも思えないので、どこかに持ち込んで隠しているにちがいありません。 ま、見つけて取り上げてみても、もうスモークサーモンには出来ないのですが、たかがテン風情に極上の食事をさせるのは納得が行きません。
せっかく、「良く出来たら、あの人にも送ってあげよう・・・。」などと思いながら丹精を込めて作っていたのに、どうにも許せません。
「村の猟師の人に罠をしかけてもらって、捕まえちゃおうか。」と言ったら、妻が「あんなに可愛い顔をしているのに、可哀そうよ。」と反対します。 今朝も妻が車庫に行ったらテンがウロウロしていて、すぐに薪の中に逃げ込んだとのこと。
村の人たちは「シメろ。 シメろ。」としきりに妻に対して勧めるそうですが、妻は「あんなに可愛い動物を殺すなんて、考えられない!」と怒っています。
今日も雪ですが、もうそろそろスモークサーモンを作れる時期も終わりです。
でも、まあ、考えてみれば私たちの方が野生の動物たちのテリトリーに勝手に侵入しているようなものだし、可愛い顔をして金色の毛皮を着たテンを悪者扱いする方が間違っているんでしょう。 今回のサケはそんな野生の先住者に払ったミカジメ料として諦めるべきですかね。 それにしても腹が立つ・・・。
昨日は、あまりにもシャクなので薪の棚を全て崩してしまおうか思ったほどです。
ひぐちさんは、庭先にヒグマが出るよりはいい、と言って慰めてくれるんですけどね。