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2007/11/06: "一人前2万円の鮨は安いか、リーズナブルか・・・"

Sushi (99k image)
血糖値と血圧の定期検査はいつも結果が出て医師の診察を受けるまでに2〜3時間も待たされます。
病院の待合室を抜け出して町に出ても、喫茶店も無し、本屋も無し。 仕方なく待合室のベンチで読み古しの女性週刊誌でもめくるか持参した本でも読んで誤魔化すきりありません。
先日は買ったままですっかり読むのを忘れていた「鮨を極める」(講談社)を持ち込んで暇つぶしをしました。

生活習慣病の定期健診を待ちながら食い物の本を読むと言うのもそぐわないと言うか、場違いと言うか、不謹慎と言うか、どこかしっくりしない感もあるんですが、東西のとびっきり(?)の鮨店の話を読みながらも別に食いたくなる訳でもなく、自分には関係の無い別世界の話としてそれなりに面白い暇つぶしにはなりました。
食いたいとも思わず、別世界と納得している最大の理由は紹介されている各店の値段のせいかも知れません。
私の乏しい経験からして、一人の予算が1万円から・・・と紹介されていれば2万円以上は絶対に取られるし、2万円と言えば3万から4万と言うのも当たり前で、どうにも鮨屋の値段だけはピンと来ませんね。
鮨そのものがどうも不思議な食い物です。 高級にして高価な料理の代表みたいな顔をしていながら、どこかに大衆的なイメージを隠している風情があって、それは多分この料理の氏素性や指で摘まんで口に放り込むと言った食事のマナーからも来ているものなんだろうけど、どんなに気取ってみても「庶民の食い物」的な雰囲気があります。 「すきやばし次郎」や「神保町鶴八」が庶民的な訳は無いんですが・・・。
で、庶民的かどうかは別にして、一切れ数千円もするような素材を使い、1人前が2万円も3万円もするような食事なんてものが許されるもんだろうか、などと思ったりもする訳です。 もちろん、安いとは言えないし、リーズナブルな値段と言うにも無理が有りそうです。
別に飢えて死ぬ人たちのことを思わなくても、別に連日のようにそんな食事をしている訳ではなくても、この本の著者のように全国の高級鮨屋、高級料理屋ばかりを巡り歩けるような、そんな人種ってのはどんな職業の、どんな価値観を持った人間なのか、むしろそちらの方に興味が沸いて来ます。
ところで、「すきやばし次郎 旬を握る」(文芸春秋)は実に見事な本です。 この店は、まだ若かった頃に一度だけ連れて行かれたことがあるのですが、3万円の味がしたかどうかは全く記憶にありません。
そんな訳で、煙が立ち込める焼き鳥屋でレバーの串を齧りながら生ビールを飲みたい、などとつくづく思うわけです。