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2004/06/23: "ツアラトウストラは何を語ったか?"

山菜は山に入って採るのも大変ですが、その後始末も更に大変です。
妻と採ってきたミズの土を洗い流し、葉を落とし、長さを揃え、束ねて塩漬けにする作業をしながら音楽でも聴こうかと思い「ツアラトウストラはかく語りき」のCDを引っ張り出してしまいました。
失敗でした。

ズービン・メータもNYフィルも知性的で都会的で、とても気持ちのいい音を出しているのですが山菜処理の単純作業をしながら聞く音楽ではありませんでした。
とは言っても、手は濡れているし、作業を中断してCDを取り替えるのも面倒で、結局は最後まで聴いてしまったんですが、「ツアラトウストラって、何を言ってたっけ?」と思ったら何も思い出せません。 学生の頃に読んだ記憶はあるんですが、最後までは読み通していなかったような気もします。
「失われた時を求めて」、「ユリシーズ」、「存在と時間」、「オデッセイ」・・・どれもこれも拾い読みで終わったような記憶ばかりです。

ミズの葉っぱをむしりながら思ったのは、こんな本こそ「あらすじで読む・・・」シリーズにすべきじゃないかと言うこと。
「こころ」も「破戒」も荒筋で読ませる必要なんて全然無いけど、「ツアラトウストラ・・・」や「失われた時を求めて」なんてのはどうせ誰も最後まで読み通したりはしないんだから、それこそ荒筋の需要があるんじゃないかなと思う訳です。
もっとも荒筋シリーズにするためには最後まで読まなきゃいけないんですが、資料調べだと思えば我慢もできるでしょう。

などと上の空でリヒャルト・シュトラウスを聞きながらミズの処理作業をしていたら腰が痛くなってしまいました。
自家消費用の山菜は自分の処理能力に合わせて採るべきですね。