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2006/03/18: "Squirrelは毛鉤の素材"
ライオンや象を英語でなんと言うかくらいはすぐに思い出せますが、リスをsquirrelと即答できる人ってそんなに多くはないんだと思いますけど、どうなんでしょう?
フライフィッシングの店で毛鉤の素材コーナーを覗くと、ほとんどどこにもミンクの尻尾などと一緒に<Squirrel>なる動物の尻尾が置いてあります。 何の事はなくて、単にリスの尻尾なんですが、英語で表記されると希少種の特別な素材なんじゃないかと思って、必要も無いの買ってしまったりもします。
山で見るリスは、本当に小さくて、はかなげでけなげで、尻尾を取って毛鉤にしようなどという気にはとてもなれません。
ところで、コンピュータやIT関連の用語もカタカナや略語がめったやたらに多くて何が何だか分からないことがよくあります。 それ以上に分かりにくいのがフライフィッシング用語です。
<フライフィッシング>という呼称そのものがすでにカタカナな訳で、多分、この釣に興味の無い人が<西洋式の毛鉤釣り師>(普通には<フライフィッシャー>と呼びます。)同士の会話を聞いてたら話の内容をほとんど理解できないだろうと思います。
釣具、衣類、疑似餌の種類、糸の結び方、釣りの技術や技巧に至るまで日本語になっているものはほとんど無くて、中には英語には無い和製英語まである始末です。
もしも、言葉が文化だとすれば、日本語で表現できない文化はITに限らずジャズやフライフィッシングも含めて日本の文化にはなっていないと言うことなんでしょうね。
フライフィッシングに関して言えば、英語やフランス語を日本の毛鉤釣り用語などに置き換えることによって日本の釣り文化の中に組み込むことも出来たはずなのに、日本にフライフィッシングを持ち込んできた連中にはそんな気持ちはサラサラ無かったんでしょう。 もともと西洋かぶれで始めたことなんでしょうから。
もっとも、分かりにくいからこそ有難いってのもありますね。 お経のようなもんです。