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2006/12/20: "大井沢で読む<忠臣蔵とは何か>"

DSC08076 (90k image)
年齢のせいなのか、あるいは雑音も情報も無い山村と言う環境のせいなのか、あるいは大井沢という地域の文化に触れたせいなのか、東京に居るときはどうにも納得が行かなくて、しっくりしなかった丸谷才一の<忠臣蔵とは何か>も<鳥の歌>も実によく分かるんです。

で、ふと思ったのですが、英文学者の丸谷才一氏が怨念や怨霊、そして御霊信仰にこだわり続けると言うか、日本文学の最も重要な原点のひとつとしてそれらに注目し続けている理由は、彼が生まれ育った鶴岡、あるいは山形という風土に有るのではないかということです。
私が知っている山形と言えば大井沢くらいなもので、米沢も酒田も鶴岡も知りませんが、どうもこの山形という土地には日本の原風景のようなものが濃密に残っているような気がしてなりません。
藤沢周平でさえも、ここに居るとまた違った風に読めてくるから不思議です。
先日、<元禄御畳奉行の日記>を読み返したら、なんだかご近所の噂話を聞いているようであまりにも面白過ぎて止められませんでした。 これもまた大井沢のせいかも知れません。 ここでは時制が止まっていますから・・・。
(うっかり忘れてましたが、ここは平将門の家来志田弾正一族が落ち延びて来て住み着いた場所とのこと。 いまだにこの辺りには将門やその一族の怨霊がさ迷っていて、私もその影響を受けているに違いありません。)