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2005/03/22: "Excel使って「越の寒梅」をご馳走になった話"
(「こしのかんばい」を変換したら<腰の完売>になって、理由も無くあわててしまいました。)
昨日、町内会長の田村幸雄さんのお宅で町内会の収支報告書作りを手伝いました。 手書き、手計算よりはExcelの方が簡単だし速いだろうと言う事でのボランテイアです。 隣組長さんたちも集まっての作業だったので、あっと言う間に終わってしまいました。
作業が終わって、「ご苦労様でした。 ま、一杯。」と出されたのが、なんと私が若かりし頃の幻の銘酒「越の寒梅」ではありませんか。
「え〜っ! そんな、いいんですか? 勿体ないですよ〜!」と言いながらも、ついつい「じゃあ、せっかくですから一杯だけ。」などとグラスを差し出していました。
ところで、30年くらい前には、越の寒梅は確かに「幻の酒」と称されていて、飲み屋の棚に麗々しく飾ってあるのを指差して、「あれ下さい。」と注文してもグラス一杯の制限付きだったりしたものです。 たまに酒屋で見つけても、値段は1本1万円以上もしたような気がします。
あれは私一人が日本酒で盛り上がっていたのか、それとも世間全体にそんな雰囲気があったのか定かではないのですが、やたらと「幻の酒」が多かったように思えます。 そう言えば、ボジョレ・ヌーヴォーがもてはやされ出したのもあの頃だったような気がします。 要するに、皆かなり貧しかったにも関わらず、何とはなしに金回りが良くなったように勘違いをしていた時代なんですね。
「金曜日にはパン買って、ワイン買って・・・」青山のワンルームマンションで渋谷、六本木の街灯りを眺めながら週末の夜を過ごすのがとても魅力的な生活ってことになっていました。 パンはもちろんバゲットで、ワインは赤。 当然、カマンベールやブリーなんかも一緒に買います。 スーパーは紀ノ国屋か明治屋なんでしょうね。
そんなとてもバブリーな時代ではありましたが、さすがに馬鹿らしくて1本1万数千円の幻の酒を買って飲む気にはなりませんでした。
私が好きだったのは麻布十番の酒屋で1本1,800円(だったと思います。)で売っていた「西の関」(大分の酒?)でした。 あれは飲み口が実にすっきりとしたいい酒でしたね。 上京した折に、何度か十番の酒屋を覗いてみたのですが、どうした訳かいつ行っても置いてありません。 まさかメーカーがつぶれてしまった訳でもないでしょうから、機会があったらまた飲んでみたいものです。
最近、「越の寒梅も味が落ちた。」とか「昔の様な真面目な酒造りをしていない。」と言った噂を耳にします。
私には分かりません。 とにかく、なじみの飲み屋でさえ恩着せがましく「限定グラス一杯」だった訳ですから、味など記憶にありません。
いや、Excelのご褒美にご馳走になった「越の寒梅」は大変結構でした。 甘くも無く辛くも無く、すっきりとして香りが強過ぎもせず、田村夫人の手料理の味を邪魔することもなく、ついつい勧められるままに2杯、3杯・・・。
ご馳走様でした。 SUM関数に感謝。