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2007/12/06: "釣り人の自制心"
絶滅危惧1Aに位置づけられているイトウを保護するために、北海道は「釣り人の自制心に期待して」産卵期の釣りを自粛するよう呼びかけるんだそうです。
今朝の朝日新聞(山形版)の記事です。
記事によると、条例による釣り禁止も視野に入れているが「ファンが多いことを考慮し、まずは釣り人たちの自制心に期待することにした。」んだそうです。
何か変です。
鮭やサクラマスなどの漁業対象魚に対しては厳しい禁漁規制があるのに、絶滅危惧種に対しては何の法的規制も保護策も無いんです。
それに釣り人と呼ばれる人種には期待されるほどの自制心なんて有るんだろうか?
魚を見れば釣りたくなる。 釣れればもっと釣りたくなる。 釣ったら釣っただけの魚を持って帰りたくなる。 数を競う。 サイズを競う。 他人の行かないポイントや川を探し出しては釣り尽くす。 自己中心で独断。
魚拓を取る。 剥製にする。 自慢する。 人を出し抜く。 小ずるい。
ブラックバスだろうがブルーギルだろうが見境もなく密放流をする。 魚を釣るためなら何でもするし、法も犯す。
熊が熊の本能に従い、猟犬が猟犬の本能のままに行動するように、それが釣り人の釣り人たる所以です。
ごく普通の常識人が、釣竿を持った途端に「釣り人」に変身します。 まるで満月の夜の狼男です。 善悪を超越し、理性も常識も良心も恥じも外聞も自尊心もプライドも、魚を見た瞬間に雨散霧消です。
「期待」なんてする方が間違っています。
ま、北海道としても「観光立道」を目指しているそうだから、魚が絶滅するかどうかなんてことよりも、沢山の「ファン」が来てくれるかどうかの方がずっと重要なんでしょうね。 でも、肝心の魚が居なくなったら「ファン」と呼ばれる連中も来なくなると思うんだけど。
本気で保護をするんだったら、ま、違反者は市中引き回しの上、獄門さらし首くらいのことは必要でしょうね。 そこまでやったとしても、隠れてイトウを獲りたがるヤツは絶えないんだろうなあ。 釣り人だもの。