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2006/05/27: "淡竹の筍は子供の頃の味"
南房総市(という市が出来たのを知りませんでした。)に住む川西さん、露木さんから淡竹(はちく)の筍が送られてきました。
ソラマメも一緒です。
私が生まれた家の蔵の横には大きな竹林があって、その一部に淡竹も植えられていました。 昼でもひんやりとして薄暗い竹林の中にはフクロウが居て、子供たちが近づくと嫌がって飛び立ちます。 子供心にも不思議でしょうがなかったのはフクロウがあの密生した竹を避けながら巧みに飛び回ることと、全く羽音を立てないことでした。 フクロウは鳥目で昼は見えないものと思い込んでいました。
淡竹の筍は、孟宗竹、真竹の次に出てきます。 ちょうど私の実家の田植えの頃です。
村の田植えは隣近所や親しい親類などが集まっての共同作業でした。 母は、手伝いに来てくれている人たちのために赤飯を炊き、ご馳走を用意して田んぼまで運びます。 そのときのご馳走には必ず家の竹林から取った淡竹の筍の煮物がありました。
田植えのときの昼食は田んぼの畦道に座って皆で食べます。 子供にとってはまるでピクニックのような楽しさです。 筍の煮物には身欠き鰊、さつま揚げ、ごぼう、ニンジンなどが入っていて、ニンジンが無ければもっと美味しいのに・・・と思いながらも大好きな料理でした。 田植えで汚れた手は、そばを流れる小川などで石鹸も使わずに洗っていましたが、昔は泥さえ付いていなければ<きれいで清潔>だったんですね。
今でも、淡竹の筍は孟宗よりも真竹よりもずっと美味しいような気がしています。
今夜はソラマメを煮て、筍と身欠き鰊の煮物を作ります。