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2006/07/24: "ダシ: 山形だけの料理?"
昨日、山道の刈り払いから戻ってくると、原店のおばさんが自宅横の水場で採ってきたばかりの赤ミズを丁寧に処理をしていました。 泥を洗い、ヒゲ根を取り、葉を一枚ずつ摘み取っています。
おばさんの作業を興味深く見ていたら、「ハイ、柳沼さん、どうぞ。」と言って、半分ほどを無造作につかんで私にくれました。
ミズには赤ミズと青ミズの2種があって、赤ミズの方が美味しいと言われます。
赤い根の部分は包丁で細かく刻むとトロロに近いねばりが出てきます。 これを同じように細かく刻んだ胡瓜や茄子などの夏野菜と混ぜ、昆布の粉末、塩、少量の砂糖と酢などで味付けをしたものを<ダシ>と言います。 茗荷が入っていると一段と清涼感が出て夏の食べ物らしくなります。 葱を刻んで入れるレシピもあるらしいのですが、欠かせないのは玉ネギのみじん切りです。
このダシは、漬物と呼ぶには少し違和感があって、むしろ<生の夏野菜の料理>と言った方がぴったりとします。
夏の暑い日にかき込むようにしてそのまま食べても旨いし、冷奴にたっぷりと乗せても美味しい料理です。 納豆やトロロ汁の様にご飯に乗せる人も居るようです。
これは大井沢に来て初めて知った料理で、大井沢特有のものかと思っていたのですが、どうやら山形県では広く食べられているらしく市販のものもあります。
今回の我が家の<ダシ>は、いただいたアカミズの根、胡瓜、茄子、玉ネギだけですが、コウイカを小さな賽の目にして入れても歯ごたえが違って美味しいんじゃないかと思っています。
この手の料理ですから、決まったレシピは無さそうです。 何を入れても、どんな味付けにしてもそれなりに旨そうです。
塩漬けのオリーブを微塵に切って入れても良さそうだし、アンチョビーやイカの塩辛だって合いそうな気もします。 セイジやディルだっていいかも知れません。
茎の部分はサラダオイルでさっと炒めてからキンピラ風の煮物に。 火が通ると鮮やかな緑色になります。